子どもが運動すると踵を痛がる|セーバー病の確認ポイントとスポーツ復帰

運動の後だけ踵を痛がり、休むと元気になる。
でも次の練習でまた痛い。
そんな繰り返しに心当たりはありませんか。

成長期の子どもでは、セーバー病(踵骨骨端症)が一つの可能性です。
まず痛む場所と歩き方を確認し、練習量や靴も見直しましょう。
踵の痛みには別の原因もあるため、症状だけで決めつけないことが大切です。

セーバー病とは?

踵の骨の後ろには、成長途中の「骨端部」という部分があります。
走る・跳ぶ動作を繰り返す時期に、ここへ負担がかかって痛みが出る状態がセーバー病です。
小学生から中学生の、特に運動量が多い年代にみられます。AAOS(https://orthoinfo.aaos.org/en/diseases–conditions/severs-disease/)

サッカー、バスケットボール、陸上などでよくみられますが、競技名だけで決まるものではありません。練習と休養のバランス、靴の状態も一緒に考えます。

どこが痛い?こんな症状はありませんか

痛みが出やすいのは、踵の後ろから下にかけて。
踵の左右をそっと挟んだ時や、後ろ側を押した時に痛がることがあります。
足裏の前方や土踏まずを赤く示す図とは場所が違います。AAOS(https://orthoinfo.aaos.org/en/diseases–conditions/severs-disease/)

  • 走る・ジャンプで踵を痛がる
  • 練習後は痛いが、休むと楽になる
  • 踵を押すと痛い
  • 踵を着けたがらず、つま先歩きになる
  • 少し休んで再開すると、また同じ痛みが出る

歩き方が変わっている時は、痛みを我慢しているサインかもしれません。
Lurie Children’s(https://www.luriechildrens.org/en/specialties-conditions/sever-disease-calcaneal-apophysitis/)

なぜ成長期の踵が痛くなるの?

踵の骨端部は、成長が完成する前の部分です。
ジャンプの着地による衝撃や、走る時にアキレス腱が引く力が繰り返し加わると、痛みにつながることがあります。AAOS(https://orthoinfo.aaos.org/en/diseases–conditions/severs-disease/)

「骨が伸びているから、何をしても仕方がない」という意味ではありません。
いまの運動量を見直し、痛みを増やす負荷を減らす余地があります。

負担が集中しやすい場面

練習日が増えた、試合が続いた、久しぶりに強く動いた。こうした変化があれば確認します。
硬い地面や靴の踵部分も、子どもによっては関係します。
AAP(https://www.healthychildren.org/English/health-issues/injuries-emergencies/sports-injuries/Pages/Heel-Pain-and-Severs-Disease.aspx)

踵以外に、何を確認する?

ふくらはぎ・足首・足底

ふくらはぎが強く張っていないか、足首が動かしにくくないか、足底や靴の接地の仕方に左右差がないかを見ます。
研究でも足首の動きや足部の状態との関連が調べられていますが、一つの要因だけで全員の痛みを説明できるわけではありません。


BMJ Openのシステマティックレビュー(https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10254686/)

膝・股関節と着地の動き

踵に負担が集まる場面を知るために、当院ではスクワットや着地も見ます。
膝が自然に曲がるか、股関節を使えるか、左右で動きが違うかを確認します。

これは「膝や股関節の使い方がセーバー病の原因だ」と断定する検査ではありません。
その子に合う運動量と動き方を考えるための確認です。

保護者が見るなら、痛みのない範囲で一度だけ、浅いスクワットを見てください。
踵が痛む、片側だけ大きく崩れる場合はそこで止めます。
強い痛みや歩行時痛がある時は試さず、受診を優先してください。

痛みの程度によって対応を変える

次の区分は、家庭で対応を考えるための目安です。
医学的な重症度判定や診断ではありません。

今の様子

まず考えたい対応

軽い:運動後だけ痛む。普通に歩けて、休むと楽になる

走る・跳ぶ量を減らし、靴と翌日の反応を確認する

中くらい:運動中も痛む。翌日に残る、繰り返す

痛む練習を控えて状態を確認する。続く場合は相談する

強い:普段の歩行も痛い。踵を着けない、安静時にも痛む

運動を止め、早めに整形外科などで確認する

腫れ・熱感、夜間の痛み、けがの直後の痛みがある場合は、この表で様子見を決めないでください。

「休むと治ったように見える」の繰り返しに注意

痛みが引いても、練習量や靴の状態が同じままだと再び痛むことがあります。
成長が進めば落ち着くことが多い症状ですが、長く我慢させる理由にはなりません。
AAOS(https://orthoinfo.aaos.org/en/diseases–conditions/severs-disease/)

最近、靴のサイズを確認しましたか?

子どもの足はサイズが変わります。
靴のつま先が当たらないか、逆に大きすぎて中で足が滑らないか、踵が収まるかを確認しましょう。
靴底のすり減り、踵のクッション、競技との相性も見ます。AAP(https://www.healthychildren.org/English/health-issues/injuries-emergencies/sports-injuries/Pages/Heel-Pain-and-Severs-Disease.aspx)

ヒールカップや踵のクッション材、足部に応じたサポートが役立つこともあります。
研究では複数の保存的な方法で痛みの軽減が報告されていますが、どの子にも同じインソールが最適とは言えません。靴・練習量と合わせて考える補助です。


保存的治療のレビュー(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38592198/)

家でできるセルフケア

痛みが強くない時期は、走る・跳ぶ量をいったん減らし、歩行の様子を見ます。
痛みが落ち着いてきたら、ふくらはぎを痛みのない範囲でゆっくり伸ばす、足首を軽く動かす、浅いスクワットで膝と股関節を使う、と段階的に進めます。
AAOS(https://orthoinfo.aaos.org/en/diseases–conditions/severs-disease/)

目安は最初は各動作を少量から。運動中に痛みが増す、終わってから強く残る、翌日に悪化するなら量を減らします。足裏を強く押したり、痛い踵を無理に伸ばしたりしないでください。

休息は痛みを落ち着かせるために必要です。その後は、負荷を少しずつ戻す準備も大切です。
痛みのあるランニングやジャンプを控えつつ、可能なら痛くない活動で体を動かす方法を考えます。
AAP(https://www.healthychildren.org/English/health-issues/injuries-emergencies/sports-injuries/Pages/Heel-Pain-and-Severs-Disease.aspx)

スポーツへは、何ができたら戻せる?

「何週間休んだから復帰」とは決めません。
まず普通に歩けること。
次に軽い筋力運動、ジョギング、軽いジャンプや片脚動作、部分練習、通常練習へ進みます。
競技に合わせてダッシュや切り返しも確認します。Lurie Children’s(https://www.luriechildrens.org/en/specialties-conditions/sever-disease-calcaneal-apophysitis/)

各段階で動いている時だけでなく、その日の後と翌日にも痛みが増えていないか見てください。跛行(痛みを避ける歩き方)が出るなら一段階戻します。
試合は、練習を続けても状態が安定してから考えます。

先に整形外科で確認したい時

強い痛み、普通に歩けない、踵を着けない、明らかな腫れや熱感、安静時や夜の痛み、発熱、転倒・衝突後からの痛みは、セーバー病以外も考えて医療機関で確認してください。
数日休んでも改善しない、繰り返す、判断がつかない時も相談を勧めます。
小児の踵痛に関する医学レビュー(https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9960861/)

当院で確認すること

沼袋ゆうしん整体接骨院では、痛む場所と歩き方、練習量の変化、靴のサイズや踵の収まり、ふくらはぎ・足首の動き、スクワットや着地の様子を確認します。
お子さんと保護者が「今どの負荷を減らし、どう戻すか」を理解できるように説明します。

受診を優先した方がよい所見があれば、整形外科での確認を案内します。

まとめ

セーバー病が疑われる踵の痛みは、成長期だからと長く我慢させず、軽いうちに練習量と靴を見直すことが大切です。
痛む踵だけでなく足首や全身の動きも確認し、歩行から競技まで段階的に戻しましょう。

東京都中野区・沼袋でお子さんの踵の痛みを相談したい方は、現在の運動量と靴の状態も分かる範囲でお伝えください。

主な参考資料

  • AAOS OrthoInfo: Sever’s Disease(https://orthoinfo.aaos.org/en/diseases–conditions/severs-disease/)
  • American Academy of Pediatrics: Heel Pain and Sever’s Disease(https://www.healthychildren.org/English/health-issues/injuries-emergencies/sports-injuries/Pages/Heel-Pain-and-Severs-Disease.aspx)
  • Lurie Children’s: Sever Disease(https://www.luriechildrens.org/en/specialties-conditions/sever-disease-calcaneal-apophysitis/)
  • Risk factors and associated factors: systematic review(https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10254686/)
  • A Review of Pediatric Heel Pain(https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9960861/)