食事はトレーニング!! フィジカルアップの鍵は食事!? 強豪校に学ぶ、成長期の身体づくりの教科書

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食事もトレーニング!!
フィジカルアップの鍵は食事!?

強豪校に学ぶ、成長期の身体づくりの教科書

沼袋ゆうしん整体接骨院|中高生・保護者・スポーツ指導者向け

この記事のポイント

① 身体づくりは、練習・食事・睡眠のセット。成長と運動に見合うエネルギーが土台です。
② 強豪校・育成組織から学びたいのは、食事量に加えて「食べられる環境」とタイミング。
③ 家庭では3食と必要な補食から。無理な大食いではなく、自分に合う方法を見つけましょう。

「同じ高校生なのに、なんであんなに身体が分厚いの!?」
対戦相手の肩幅や背中、太ももを見て、そう感じたことはありませんか?
筋トレのメニューを知りたくなる気持ち、よく分かります。でも、グラウンドの外にもヒントがあります。
今回は毎日の食事に注目して、強い身体を育てる実践方法を考えます。

第1章|強豪校の選手は、なぜあんなに身体が分厚いのか?

体重の数字だけでは見えない「身体の厚み」

胸板、背中、太もも。
鍛えられた選手の身体を見て、プレーの迫力を感じる場面があります。
ただし、見た目から筋肉量や競技能力が正確に分かるわけではありません。
強豪校の全員が、ほかの学校の選手より大きいという比較データを示す話でもありません。

体格には遺伝、性成熟の時期、トレーニング歴、食生活などが関わります。
同じ学年でも成長のタイミングは異なります。
今、小柄だから将来も不利と決めつける必要はありません。仲間の身体より、自分の成長と動きの変化を見ましょう。

増量したら、その分だけ強くなる?

筋肉や筋力は、当たり負けしにくさや力を発揮する土台になります。
一方、競技では技術、判断、走力、体重に対する筋力も大切です。
体重が増えても、動きにくくなったり持久力が落ちたりすれば目的から離れてしまいます。

目標は「重い身体」ではなく、その競技で動ける健康な身体。
急いで体重を増やす競争にせず、成長段階に合う練習と食事を積み重ねることが大切です。

第2章|筋トレだけでは身体は大きくならない!

トレーニングは身体へ刺激を与えます。
食事は、その後の適応を支える燃料と材料を届けます。
そして休養・睡眠が回復の時間になります。どれか一つの「頑張り」だけで、残りを埋め合わせることはできません。

筋肉づくりにも、成長にも、エネルギーがいる

筋肉のたんぱく質は、日々、合成と分解を繰り返しています。
適切な運動と栄養はそのバランスに関わります。
ただし、「運動直後に1杯飲めば筋肉完成」というほど単純ではありません。
継続した練習と、一日全体の食事が基本です。

中高生は、練習だけでなく、通学、授業、身体の成長にもエネルギーを使います。
練習量を増やしたのに食事が以前のままなら、不足が生まれることがあります。
肉やプロテインを増やしていても、主食が少なく、全体のエネルギーが足りない場合もあるのです。

「体重が減っていないから大丈夫」とは限らない

成長期には身長も伸びます。体重だけで食事が足りているかを判断せず、成長曲線、食欲、練習での動き、疲れの抜け方などを合わせて確認します。
体組成計も参考資料の一つで、水分状態などで値が動くため、1回の数値を絶対視しません。[1,2]

エネルギー不足が問題となる状態が続くと、骨の健康、月経、免疫、回復、競技パフォーマンスなどに影響し得ます。
IOCは男女を問わず、スポーツにおける相対的エネルギー不足(REDs)として注意を促しています。体重減少、繰り返すけが、長引く疲れ、月経の変化は、食事と練習を見直し、医療機関へ相談するきっかけです。[3]

練習の質と量も、食事と一緒に調整する

適切な指導のある成長期の筋力トレーニングは、筋力や運動能力の改善に役立ちます。
負荷は年齢だけで決めず、発達、技術、経験に合わせることが重要です。
食べた量に応じて練習を罰として増やすような指導は必要ありません。[4]

第3章|強豪校は実際にどれくらい食べている!?

松本山雅FC・筑摩寮|1食700gの白米が登場

DAZN「スポ飯」で紹介されたのは、松本山雅FCの筑摩寮です。
クラブ公式の2025年8月8日付配信案内には、1食700gの白米が登場することが記されています。
ご飯150gを茶碗1杯の例とすると、約4.7杯分。思わず「そんなに!?」と声が出る量ですね。[5]

これは番組で紹介された食事量の例です。
全選手が毎食食べる量でも、学生全員への推奨量でもありません。また、公式告知の番組名には「朝晩で3000kcal !?」とありますが、この表現だけから個人の実測摂取量や一日の必要量を決めることはできません。

読み取れること

家庭での受け止め方

番組で1食700gの白米を紹介

運動量によっては主食が多く必要になる。ただし同じ量をノルマにしない

調理スタッフが寮生活の食事を支える

食べる本人の努力だけでなく、用意してもらえる環境が重要

対象はトップチーム・U-18選手の生活する寮

成人と高校生、さらに個人ごとの違いを分けて考える

 

ご飯700gは、どれくらいのエネルギー?

文部科学省の成分表で、精白米のご飯は100g当たり156kcal。
700gなら、ご飯だけで約1,090kcalという計算になります。
これは成分表による概算で、番組の食事全体を計測した数値ではありません。
炊き方や実際の盛り付けによっても変わります。[6]

食べる量と同じくらい、「続けられること」が重要

部活が終わって、帰宅してから冷蔵庫を開ける。
疲れて、作る気力も残っていない。
そんな日が続けば、食事を整えるのは大変です。
食事が用意される寮の環境からは、「何を食べるか」に加えて「どうすれば毎日食べられるか」を考える価値が見えてきます。

家庭で参考にするなら、最初の一歩は特大の茶碗を買うことより、冷凍ご飯や持ち運べる補食を準備すること。
学校や家庭の事情に合わせて、取り入れられる仕組みを選びましょう。

飯塚高校の選手も暮らすアマンテラス|毎日の食事を人が支える

福岡県飯塚市のアマンテラスは、飯塚高校サッカー部の選手も利用する食事付きシェアハウスです。
運営者のFAQでは、学生への食事は基本的に土日祝も含めて朝・夕に提供されると案内されています。
学校のほかの学生寮と、同じ施設であるかのように混同しないことも大切です。[7]

サッカー部公式サイトの2025年4月16日付選手日記では、吉富柚希選手が、オーナー、寮母、調理する方々への感謝を述べています。
身体づくりを頑張りたいという思いもつづられています。
ここから伝わるのは、食卓が「食べ物の置き場所」だけではなく、安心して生活できる環境の一部になっていることです。[8]

川崎フロンターレ|練習後すぐ、温かい食事へ

クラブが2023年3月に紹介したAnkerフロンタウン生田の食育では、アカデミーの練習後にすぐ温かい食事を取れる環境と、料理家・管理栄養士が考える家庭料理が説明されています。
旬の食材や発酵食品を取り入れ、複数の栄養素を組み合わせる方針です。[9]

「疲れたから菓子パンだけ」「帰宅まで何も食べない」という選択になりにくい環境は、家庭でも参考になります。毎回豪華な料理を作る必要はありません。
ご飯、主菜、野菜の一品など、食べる準備があること自体が助けになります。

ガンバ大阪・青翔寮|お米をつくる体験も「食育」

ガンバ大阪は2023年10月25日、ユース選手とスタッフの稲刈り体験を公式に報告しています。
当時の説明では、JAグループ大阪から青翔寮へ年間10トンの大阪産米の提供を受けており、自分たちが食べる米の生産を体験して、食への関心を高める活動でした。[10]

年間10トンという数字は、当時の寮全体への提供量です。
1人が食べる量や、2026年の同じ条件での実績を示すものではありません。
注目したいのは量の大きさとともに、食材をつくる人や調理する人とのつながりまで、育成の中に入っている点です。

4つの事例から、家庭へ持ち帰れること

事例・資料の時点

確認できる取り組み

家庭での応用

松本山雅FC・筑摩寮
2025年の番組案内

多量の主食が登場する寮の食事と調理スタッフ

活動量に応じて主食を用意。量は個別に調整

飯塚高校の選手も暮らすアマンテラス
運営FAQ・2025年の選手日記

朝夕の食事提供と生活を支える人たち

食べられる時間と場所を確保する

川崎フロンターレ
2023年の食育紹介

練習後すぐ温かい食事。専門家が献立に関与

夕食が遅れる日は補食を準備

ガンバ大阪・青翔寮
2023年の活動報告

米の提供と稲刈りを通した食育

食材を選ぶ、作る過程にも参加

 これらは学校・クラブの公開事例です。
「この食事を食べたから勝てた」という因果関係を示す研究ではありません。
それでも、練習と食事を別々のものにせず、日常生活の中で支える工夫は学べます。

「食事も練習」という言葉の使い方

当院がこの記事で伝えたいのは、食べることにも準備と習慣が必要、という意味です。食事を罰や成績にしないこと、食が細い子を責めないことも同じくらい重要です。
身体づくりへの前向きな言葉として使いましょう。

3,000〜4,000kcalは、献立にするとどんな量?

次は、実在校の献立を再現したものではなく、量のイメージをつかむために作成した一日例です。合計は約3,140kcal、たんぱく質は約112g。
例えば体格の大きな高校生の活動日の食事を考える資料にはなりますが、必要量を判定した個別メニューではありません。[6]


朝食757・昼食864・練習前327・練習後271・夕食920kcal、合計約3140kcal。

食事

献立の主な内容

概算kcal

朝食

ご飯250g、ゆで卵50g、納豆40g、ゆでほうれん草50g、牛乳200g、バナナ100g

757

昼食

ご飯300g、鶏もも肉100g、野菜100g、油10g、しょうゆ10g、りんご150g

864

練習前

ご飯150gのおにぎり(具なし)+バナナ100g

327

練習後

食パン60g+牛乳200g

271

夕食

ご飯300g、焼き鮭70g、豆腐100g、にんじん50g、じゃがいも200g、油10g、みそ10g、しょうゆ5g

920

 重さは可食部。
ご飯・ゆで野菜・ゆで卵・じゃがいも水煮・焼き鮭は調理後、鶏肉は皮付き若鶏もも肉の調理前重量です。
肉は十分加熱します。
油と調味料も計上。
牛乳200gは約200mLの目安です。
献立の各食品を成分表のkcalで合算し、丸め前の合計は3,139.4kcal。各行の丸め値の合計とは差が出ます。
計算明細CSVを同梱しています。

第4章|世界のフィジカルモンスターは何を食べている?

J.J.ワット|2016年の取材では、1日6回

NFLで活躍したJ.J.ワットは、2016年のGQの本人取材で、朝食・昼食・夕食をそれぞれ2回に分ける食生活を紹介しています。
記事が示す一日のエネルギー量は5,000kcal以上!!
大きな身体と競技の役割を支える、成人プロ選手の一例です。[11]

「自分も同じ量を食べれば近づける!」と考える前に、体格も練習内容も違うことを思い出してください。
ここから参考にするのは、極端な食事量より、必要に応じて食べる機会を分けるという発想です。

デリック・ヘンリー|食生活の切り抜きに注意

ヘンリーには、専属シェフによるサポートがあることがクラブ公式の2024年の取材で紹介されています。
一方、同年9月の本人の説明では「毎日夕方まで食べない」という広まった受け止め方が修正されています。
特定の日の習慣が、いつもの食事と同じとは限らないのです。[12,13]

プロの断食や独自の除去食を、成長期の学生の手本にはしません。
食事管理を支える専門家がいることと、本人が行う個別の方法は分けて考えましょう。

エイケラーとサボニス|「同じ方法」ではないから面白い

選手・取材時点

本人取材で紹介されたこと

学生への読み替え

オースティン・エイケラー
2021年 Men’s Health

当時はサプリメントを使わず、日常の食品から栄養を確保すると説明

有名選手が飲む・飲まないで、自分の必要性は決まらない

ドマンタス・サボニス
2024年 Men’s Health

忙しいシーズン中に食事量を確保する難しさ、試合後に米やパスタと鶏肉を取る例を紹介

まず食事の機会と、糖質・たんぱく質の組み合わせを整える

 エイケラーの2021年の取材では、好みの食べ物を楽しむ話も出てきます。
「競技者なら、好きな物を一生禁止」という話ではありません。
日常の食事を土台にして、楽しみも持てる方法を探しましょう。[14,15]

憧れは、始めるきっかけにしていい

好きな選手の食事に興味を持つのは、とても自然なことです。
ただ、本人の体験談は比較試験ではなく、スポンサーとの関係や取材時期によっても伝わる内容が変わります。
食べ方を丸ごとコピーするより、「朝食を用意しよう」「練習後に食べる準備をしよう」と、自分に使える部分を取り出す方が実践的です。

なお、食品を理由なく広く除去すると、食べられる物が減ってしまいます。
アレルギーなどで制限が必要な場合は、医師や管理栄養士と代替食品を考えます。

第5章|身体を大きくするには、何をどれくらい食べればいい?

高校生は全員、3,000kcalでいい?

必要量は年齢、性別、体格、成長、生活全体の活動量で変わります。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」の参照体位での例では、15〜17歳の男性は活動量「ふつう」で2,850kcal、「高い」で3,150kcal。女性は2,300・2,550kcalです。1
2〜14歳は男性2,600・2,900kcal、女性2,400・2,700kcalです。年齢や性別だけで個人の必要量を決める表ではありません。[2]

参照体位での例

活動量:ふつう

活動量:高い

12〜14歳 男性

2,600kcal/日

2,900kcal/日

12〜14歳 女性

2,400kcal/日

2,700kcal/日

15〜17歳 男性

2,850kcal/日

3,150kcal/日

15〜17歳 女性

2,300kcal/日

2,550kcal/日 

体重50・60・70kgで、数字を比べてみる

次のエネルギーは「16歳男性」「身体活動レベルがふつう/高い」と仮定し、同基準の参考表1の係数47.3/52.7kcal/kg/日を体重に掛け、約50kcal単位に丸めた試算です。
スポーツ選手を直接測定した値でも、増量のための上乗せ量を含む処方でもありません。
強度が高い選手ではさらに必要になる場合があります。
参照体重より軽い人では過少、重い人では過大となる可能性もあり、この試算だけで摂取量を決めないでください。[2]

体重

ふつうの仮定

高い仮定

たんぱく質の参考範囲

50kg

約2,350kcal

約2,650kcal

65〜90g/日

60kg

約2,850kcal

約3,150kcal

78〜108g/日

70kg

約3,300kcal

約3,700kcal

91〜126g/日

たんぱく質欄は、SDAの思春期アスリート向け資料の1.3〜1.8g/kg/日を乗じた例です。
健康な学生の運動・成長を踏まえる相談の出発点で、全員が上限を目指す必要はありません。
上記エネルギー計算とは別の根拠です。
持病のある人は個別に確認してください。[16]

週3回と週6回では、どう変える?

練習回数だけでは必要量を計算できません。
週3回でも長時間の練習があり、週6回でも軽い日があります。
授業、通学、練習の実働時間、強度、休日の過ごし方を一緒に見ます。回数を活動レベルへ自動変換しないことがポイントです。


16歳男性という仮定での50・60・70kgのエネルギー試算と、別の根拠によるたんぱく質の参考範囲。個別処方ではない。

生活例

確認したいこと

食事を調整する例

週3回、各60分程度の部活を想定

練習日と休養日の空腹・食事量・体調

3食を土台に、練習前に空腹なら小さなおにぎりなど

週6回、各120分程度の高強度練習を想定

連日の疲れ、主食量、夕食までの待ち時間

主食を食べやすく分ける。夕食が遅い日は練習後の補食を準備

 ここでの60分・120分は生活を考えるための設定例で、必要カロリーを確定する条件ではありません。
食事記録、成長や体調の経過と合わせて調整します。

食べ物に置き換えると、調整しやすい

ご飯100gを足すと約156kcal、牛乳200gなら約122kcalです。
これを必ず追加するという意味ではなく、足りない食事にどう組み込むかを考える目安です。
小食なら一度に盛り足すより、補食に分ける方が続けやすい場合があります。[6]

栄養素の「チームプレー」を知ろう


糖質は運動の燃料、たんぱく質は身体の材料、脂質はエネルギーと身体の働きを支える。ビタミン・ミネラルも大切。

栄養素

主な役割

取り入れ方

糖質・炭水化物

走る・跳ぶなどの運動を支える燃料

ご飯・パン・麺・いも・果物を、活動量に合わせて

たんぱく質

筋肉など身体の組織をつくる材料

肉・魚・卵・大豆製品・乳製品を各食に分ける

脂質

エネルギー源。必須脂肪酸などを供給

油や魚なども適量使う。極端に避けない

鉄

酸素運搬などに関わる

肉・魚・大豆・青菜などを組み合わせる

カルシウムなど

骨の成長・維持に関わる

乳製品・小魚・大豆製品などを活用

HPSC/JISSは、主食・主菜・副菜・牛乳や乳製品・果物を組み合わせる基本形を示しています。
毎回5つを完璧にそろえられなくても、一日全体で補う考え方が役立ちます。[17]

糖質の必要量も運動の長さや強度に左右されます。
成人競技者向けのg/kgの数値を中学生全員へ固定的に当てはめず、まず練習の前後に主食が足りているかを確認しましょう。
鉄やカルシウムも、自己判断の大量サプリメントで解決しようとせず、食品と必要時の専門家への相談を基本にします。

睡眠は「余った時間」にしない

AASMは13〜18歳に、日常的に24時間当たり8〜10時間の睡眠を勧めています。
夜の大盛り食事だけで遅れを取り戻そうとして、睡眠時間が短くなるなら、夕方の補食や分食を先に考えましょう。[18]

第6章|とにかく食え! でも、どうやって?

食事の予定を、練習の予定と一緒に立てる


練習日の朝食・昼食・練習前・練習後・夜の食事の工夫を示す一日のスケジュール。

時間・場面

組み立ての例

続ける工夫

朝食

ご飯+卵+牛乳、またはパン+チーズ+果物

朝に作る物を減らす。前夜にご飯や食器を準備

昼食・弁当

主食+肉・魚・卵・大豆製品+野菜

弁当だけで足りない日は別に補食を用意

練習前

おにぎり、バナナ、パンなど

残り時間が短いほど食べ慣れた物を少量から

練習後

夕食まで長いなら、ご飯やパン+乳製品など

すぐ夕食を食べられる日は、その食事で補う

夜

主食・主菜・副菜を基本に。遅い日は分食

寝る直前の大量の食事を避け、睡眠も確保

 補食は「必ず追加するおやつ」ではなく、3食だけでは埋めにくいエネルギーや栄養を補う機会です。
練習が短く夕食もすぐなら、いつもの食事で対応できる場合があります。
胃腸の調子やアレルギーも踏まえて選びます。[19]

コンビニ・スーパーは、組み合わせで活用できる


練習前はおにぎり・バナナなどの糖質を中心に。練習後で夕食が遅いときは主食と乳製品などを組み合わせる補食例。

場面

具体例

選ぶ理由・注意点

練習前に空腹

小さめおにぎり1個、またはバナナなど

糖質を補う。直前は大量の揚げ物などを避け、胃の負担を調整

練習後、夕食まで時間が空く

おにぎり+牛乳、パン+ヨーグルト

糖質とたんぱく質を組み合わせる

朝食の時間がない

パン+牛乳+バナナ

食べられる組み合わせから始める。準備できる日は卵なども

乳製品が使えない

おにぎり+卵、パン+本人に合う豆乳など

アレルギーや体調に合わせる。代替品の栄養は表示で確認

 

「30分を過ぎたら無駄」ではありません

練習後は次の食事まで空け過ぎない工夫が役立ちますが、特定の数分を逃すと全部無駄になるわけではありません。
一日全体の量と、複数回に分けて食べられる習慣を大切にします。
帰宅して夕食を十分食べられるなら、焦ってプロテインや補食を重ねる必要はありません。[16,19]

水分補給も忘れずに。暑い日や長時間の練習では、発汗や活動に応じて水分と電解質を補います。
エナジードリンクで食事や睡眠の不足を埋める方法は勧めません。
乳製品・弁当・おにぎりなどは適切に保冷し、持ち歩く時間にも注意しましょう。

第7章|食が細い学生は、どうすればいい?

「もっと食べろ!」と言われて、食べられるなら苦労しませんよね。
食欲には個人差があり、暑さ、疲れ、緊張、帰宅時間などでも変わります。
まず考えたいのは、本人が続けられる食べ方です。


少食の学生には、分食・乳製品の活用・少量でエネルギーを取りやすい工夫・遅い帰宅時の分食を提案する。

増やす場所を、一つずつ探す

夕食を無理に倍にするより、朝にバナナ、昼食後に小さなおにぎり、帰りに牛乳など、無理のない追加機会を探します。これは全員への追加ノルマではありません。普段の摂取量を確かめ、不足する所へ置くイメージです。

困りごと

試せる工夫

一度にたくさん入らない

小さいおにぎりなどで回数を分ける。食べ切れる量から始める

量の割にエネルギーが取りにくい

トーストにチーズ、料理に適量の油など、少量で補いやすくする

暑くて食欲が落ちる

冷やした麺に卵・豆腐などを組み合わせ、主食だけに偏らないようにする

夜遅く帰宅する

夕方に主食などを先に取り、帰宅後に主菜・副菜を補う

 食欲不振が続く、体重が意図せず減る、腹痛や下痢がある、成長の経過が気になる場合は、小児科・スポーツ医療などへ相談します。
原因を調べずに食事量だけ増やそうとしないことが大切です。無理な完食、居残り、体重を理由にした叱責は不要です。

第8章|結局、学生にもプロテインって必要!?

答えは「全員に必須ではありません」。
普段の食事で必要なたんぱく質を確保できているなら、飲むこと自体を目標にする必要はありません。食事量が足りない、移動で食事が取りづらいなど、具体的な不足があるときに、補助食品が便利な場合があります。[16,20]


プロテインを考える前に3食と総エネルギーを確認し、具体的なたんぱく質不足が残る場合に食品や補助食品を検討する判断チャート。

「飲んでみたい」を、食生活を知るきっかけに

憧れの選手が使っていると、試してみたくなりますよね。
その気持ちが栄養への関心につながるのは良いことです。
使うなら、食事記録や成分表示で不足を確認し、保護者と相談して、必要な分を補います。
1回に大量に飲んだり、ご飯の代わりにしたりはしません。

プロテインは主にたんぱく質を補う食品で、糖質、鉄、カルシウムなどが十分取れるとは限りません。
たんぱく質が足りていてエネルギーが不足する人では、主食や補食の見直しが先になることもあります。

製品を選ぶときに確認すること

原材料、1回量、アレルギー、併用するサプリメントを確認します。
乳や大豆などが使われる製品があり、体調に合わない場合は中止して相談を。
競技者は第三者認証なども参考にできますが、混入やドーピングのリスクをゼロにする保証ではありません。
持病・治療中の人は主治医へ確認しましょう。[20]

第9章|保護者ができる身体づくりサポート

強豪校の事例でも、食べる選手の後ろには調理や生活を支える人がいます。
家庭で同じ体制を作る必要はありません。できる範囲で「食べやすい状態」を用意することが、継続につながります。


保護者ができるサポート。
使いやすい食品の準備、弁当と補食の組み合わせ、成長・体調の確認、続けやすい献立。

高価な食材より、使い回せる定番を

冷凍ご飯、卵、納豆、豆腐、牛乳、魚の缶詰、冷凍野菜などは、組み合わせを考えやすい食品です。鶏肉を夕食と弁当に使い分ける、余ったご飯を小分けにするなど、毎回ゼロから作らなくても大丈夫。
価格やアレルギー、家族の好みに合わせて選びます。

チェックしたいのは、食べた量だけではない

身長や体重の経過、食欲、疲れ、けがの繰り返し、学校や練習での様子を一緒に確認しましょう。測定を叱る材料にせず、本人の情報として扱います。
短期間の体重変動には水分なども影響するため、一度の数値で喜んだり責めたりしません。

「今日はどれだけ食べた?」だけでなく、「練習前にお腹がすかなかった?」「帰ってすぐ食べられると助かる?」と聞くと、改善する場所が見つかります。
献立を完璧にするより、相談できる食卓を大切にしてください。

成長や疲れに不安がある場合は、医師やスポーツ栄養に詳しい管理栄養士へ。練習量を増やす前に、食事と回復の時間を確保できるか、指導者とも相談しましょう。

第10章|明日から始めよう! 食事もトレーニング!


3食・必要な補食・主食とたんぱく質・睡眠を大切にする身体づくりのまとめ。
量は個人に合わせる。

今日の自分を、責めずにチェック

□ 朝食を含め、3食を食べる機会がある。
□ 主食を抜かず、練習量に合う量を考えている。
□ 肉・魚・卵・大豆製品などを食事に入れている。
□ 練習前の空腹や、夕食までの長い待ち時間に対応できる。
□ 野菜・果物・乳製品なども取り入れている。
□ 睡眠と休養の予定がある。
□ 成長や体調の変化を、大人に相談できる。

できていない項目があっても、全部を明日から変える必要はありません。
「朝のおにぎりを準備する」「練習後の夕食が遅い日は補食を持つ」など、一つから始めてみましょう。

強くなりたいなら、まず食え!

この言葉に込めたいのは、無理な大食いではありません。
自分の成長と練習を支える食事を、大切にしようという意味です。
体格の違いにはさまざまな理由がありますが、食事を整える行動は、今日から選べます。

高価なサプリメントから始めなくて大丈夫。
まずは明日の朝ご飯、今日の夕食、そして今夜の睡眠から。筋トレだけがトレーニングではありません。食事も立派なトレーニングなのです!!

よくある質問

中学生が身体を大きくするには、何を食べればいい?

主食・主菜・副菜を土台に、乳製品や果物なども組み合わせます。
肉やプロテインだけに偏らず、成長と運動に必要なエネルギーを確保します。
大きくなる速さには個人差があるため、仲間との体格比較を目標にしません。

高校生は、1日何kcal必要?

年齢・性別・体格・活動量で異なります。第5章の基準値や試算は参考資料です。
週の練習回数だけでは決められず、成長や体調の経過を見ながら調整します。

強豪校の食事量を真似すればいい?

そのまま同じ量を食べる必要はありません。紹介された量が特定の選手の一食なのか、寮全体の調理量なのかも確認します。
参考にするなら、食事の準備や補食を取りやすい環境づくりから始めましょう。

食が細くても、身体づくりに取り組める?

一度に盛り足すより、食事を分けたり、少量で補いやすい食品を組み合わせたりする方法があります。
食欲不振が続く場合や成長に不安がある場合は相談してください。

練習後は、何を食べればいい?

すぐ食事を取れるなら、その食事が基本。
夕食まで時間が空く日は、おにぎり+牛乳、パン+ヨーグルトなど、糖質とたんぱく質を含む補食が候補です。
アレルギーや保冷にも配慮します。

学生も、プロテインを飲まないと筋肉はつかない?

食事で必要な栄養を確保できていれば必須ではありません。
不足を補う手段の一つで、食事や練習・休養の代わりにはなりません。

たんぱく質を取っているのに、体重が増えないのはなぜ?

総エネルギーが不足している可能性がありますが、成長段階、練習量、胃腸の状態など、ほかの理由も考えられます。
主食や一日全体の食事を記録して見直し、不調があれば医療機関へ相談しましょう。

ご飯をたくさん食べれば、筋肉は増える?

主食は大切なエネルギー源ですが、食べるだけで筋肉が増えるとは限りません。発達に合う運動、たんぱく質を含む食事、回復が必要です。無理な増量はせず、動きや体調も確認します。

朝食を抜くと、身体づくりに影響する?

食べる機会が一つ減ると、一日の必要量を確保しにくくなる人がいます。
朝が苦手なら、準備しやすいパン・牛乳・果物など少量から。
夕食や就寝が遅すぎないかも見直しましょう。

相談した方がいいサインは?

意図しない体重減少、食欲不振や腹痛の持続、長引く疲れ、繰り返すけが、月経の変化、成長の経過への不安などです。
自己判断でサプリメントだけ増やさず、小児科・スポーツ医療などへ相談してください。

関連する記事も合わせて

プロテインの種類や研究については、前作「プロテインって本当に必要!? 筋肉づくりとサプリメントの科学」も合わせてご覧ください。
身体づくりでは食事とともに休息も大切です。関連する睡眠・休養、スポーツのセルフケア情報は、当院ホームページの院長日記でご紹介しています。

沼袋ゆうしん整体接骨院|院長日記

本記事は一般的な情報提供です。個人の体格や摂取量を診断するものではありません。
学校・選手の事例は公開された当時の内容で、食事法の効果や優劣を証明するものではありません。

参考文献・資料

確認日:2026年10月17日。本文の[番号]に対応します。学校・クラブ・選手の事例は、それぞれ資料に記載された時期の情報です。

[1]日本サッカー協会|JFA栄養ガイドライン・Q&A

https://www.jfa.jp/medical/a08.html

成長期の食事、成長・体調の確認。Q&A:https://www.jfa.jp/medical/a08_faq.html

[2]厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2025年版)

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html

エネルギー編・参考表1、2。参照体位と活動レベルの数値、体重別試算の係数。

[3]Mountjoy M, et al. IOC consensus statement on REDs. BJSM. 2023;57:1073–1097.

https://doi.org/10.1136/bjsports-2023-106994

問題となるエネルギー不足と健康・パフォーマンス。

[4]Lloyd RS, et al. Position statement on youth resistance training. BJSM. 2014;48:498–505.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24055781/

発達に合う適切な指導下での筋力トレーニング。

[5]松本山雅FC|DAZN「スポ飯」筑摩寮取材の配信案内(2025年8月8日)

https://www.yamaga-fc.com/archives/504181

番組で紹介される1食700gの白米、対象となる寮。番組:https://www.youtube.com/watch?v=qQZ2yQEW6LA

[6]文部科学省|日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_00001.html

2026年3月27日付更新データから献立計算。食品番号と重量は同梱CSV。

[7]アマンテラス|よくある質問

https://amanterrace.com/faq.html

学生への朝夕の食事提供、施設の性格。

[8]飯塚高校サッカー部|選手日記#95 吉富柚希(2025年4月16日)

https://fc-iizuka.com/post-6076/

食事や寮生活を支える人への感謝を述べた本人の文章。

[9]川崎フロンターレ|アカデミーの食育(2023年3月9日)

https://www.frontale.co.jp/diary/2023/0309.html

練習後の食事環境と専門家が関与する献立の紹介。

[10]ガンバ大阪|JAグループ大阪×アカデミー稲刈り体験(2023年10月25日)

https://www.gamba-osaka.net/news/index/no/15792/

当時の青翔寮への年間10トンの米の提供、食育活動。

参考文献・資料(続き)

[11]GQ|The Real-Life Diet of J.J. Watt(2016年8月10日)

https://www.gq.com/story/jj-watt-real-life-diet

本人取材。食事6回、記事中の5,000kcal以上という紹介。

[12]Baltimore Ravens|Derrick Henry Is Pursuing Perfection(2024年)

https://www.baltimoreravens.com/news/derrick-henry-pursuit-perfection-cover-story-baltimore-ravens-training-camp-2024

専属シェフによるサポートの紹介。

[13]Baltimore Ravens|Derrick Henry Sets the Record Straight on His Strict Diet(2024年9月26日)

https://www.baltimoreravens.com/news/derrick-henry-sets-record-straight-diet

食事時間についての本人の説明。

[14]Men’s Health|Austin Ekelerの食事取材(2021年8月6日)

https://www.menshealth.com/nutrition/a37245333/eat-like-austin-ekeler/

当時サプリメントを取らないという説明、好物を楽しむ話。

[15]Men’s Health|How Domantas Sabonis Eats to Stay in NBA All-Star Shape(2024年11月18日)

https://www.menshealth.com/entertainment/a62939577/domantas-sabonis-nba-diet/

食事量の確保と試合後の食事例。

[16]Sports Dietitians Australia|Nutrition for the Adolescent Athlete

https://www.sportsdietitians.com.au/wp-content/uploads/2019/08/Adolescent-Nutrition.pdf

思春期選手のたんぱく質1.3〜1.8g/kg/日の参考範囲。関連声明:Desbrow B, et al. 2014. https://doi.org/10.1123/ijsnem.2014-0031

[17]HPSC/JISS|アスリートの食事の基本

https://www.jpnsport.go.jp/hpsc/Default.aspx?TabId=1478

主食・主菜・副菜・牛乳や乳製品・果物の基本形。

[18]Paruthi S, et al. AASM sleep duration consensus. J Clin Sleep Med. 2016;12:785–786.

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4877308/

13〜18歳の睡眠時間8〜10時間/24時間。

[19]JSC/HPSC Female Sportナビ|アスリートにとっての補食(2025年4月24日更新)

https://female-sport.jpnsport.go.jp/article/460/

練習前後の補食の考え方。対象差を踏まえ家庭の例へ応用。

[20]日本スポーツ協会|サプリメント利用・活用コンセンサス

https://www.japan-sports.or.jp/medicine/tabid1435.html

食事を基本にした利用の判断、安全性・競技上の注意。