【大会を目指す方必見!】後半でバテないための補給戦略|ランニング・ロードバイクで役立つ“食べる練習”
これから少しずつ、マラソンやロードレースの大会シーズンに入っていきます。
「大会に当選したけど、何から準備すればいいんだろう」
「とりあえず走る距離を増やしているけど、これで大丈夫かな」
「初めての大会だから、補給について全然分からない」
そんな方もいるのではないでしょうか。
大会に向けて準備するとなると、
走る距離
ペース
シューズ
筋力トレーニング
心肺機能
などに意識が向きやすいと思います。
もちろん、それらも大切です。
ただ、長時間の大会になるほど、
「途中でエネルギーを補給し続けられるかどうか」
も非常に重要になります。
実際に、
「前半は調子が良かったのに、後半になると急に動けなくなった」
「30kmを過ぎたあたりから一気に失速した」
「補給したら今度はお腹が気持ち悪くなった」
ということは珍しくありません。
今回は、
大会後半でバテにくくするための補給戦略
について、
なぜ途中でエネルギーが足りなくなるのか
どのくらい糖質を補給すればいいのか
練習中の補給は必要なのか
胃腸を補給に慣らす「ガットトレーニング」とは何か
マラソンやロードバイクでどう実践するのか
まで分かりやすく解説します。
大会が決まって少し焦っている方にも、ぜひ知っておいてほしい内容です。
なぜ長時間の運動では途中でエネルギーが足りなくなるのか
身体を動かすためには、筋肉でエネルギーを作り続ける必要があります。
その重要なエネルギー源の一つが糖質です。
体内では糖質をグリコーゲンとして、
筋肉
肝臓
などに蓄えています。
ただし、体内に蓄えておける量には限界があります。
つまり、
スタート前にしっかり食べておけば、それだけで最後まで大丈夫
とは限らないということです。
長時間になるほど、途中から外部からの補給が重要になってきます。
「後半の失速」と補給の関係
マラソンでは昔から、
「30kmの壁」
という言葉があります。
順調に走っていたのに、
急に脚が重くなる
ペースが維持できなくなる
頭がぼーっとする
身体全体から力が抜ける
といった状態です。
ロードバイクでも、
前半は快調だったのに、後半になって突然踏めなくなる
ということがあります。
いわゆる「ハンガーノック」と呼ばれる状態もその一例です。
原因は一つではありませんが、長時間の運動によって利用できる糖質が減少していくことも重要な要因です。
そのため現在では、
レース前に糖質を蓄える
だけではなく、
レース中にも糖質を補給する
という考え方が基本になっています。
昔は「貯める」、今は「補給しながら動く」
長距離競技では以前から、
カーボローディング
という方法が使われてきました。
大会前に糖質を多く摂り、筋肉や肝臓に蓄えるグリコーゲン量を増やそうという方法です。
ただし、どれだけ蓄えても体内の貯蔵量には限界があります。
そのため次第に、
「競技中にも糖質を補給しよう」
という考え方が広まりました。
現在では、
スポーツドリンク
エネルギージェル
エネルギーバー
ゼリー
バナナなどの食品
自転車では補給食やボトル
などを使いながら運動する方法が一般的です。
どのくらい補給すればいい?
ここは競技時間によって考え方が変わります。
一般的な目安としては、
45分未満
通常は、運動中の糖質補給は必要ありません。
45〜75分程度
高強度であれば、少量の糖質が役立つ場合があります。
1〜2.5時間程度
1時間あたり30〜60g程度の糖質
が一つの目安になります。
2.5〜3時間以上
状況に応じて、
1時間あたり最大90g程度
まで増やす考え方があります。
ただし、
多ければ多いほど良いわけではありません。
競技時間、強度、体格、気温、普段の食事、胃腸の強さなどによって適量は変わります。
ロードバイクでも補給は重要
これはランニングだけの話ではありません。
ロードバイクの場合、ランニング以上に長時間運動することも珍しくありません。
例えば、
2〜3時間のロード練習
100km以上のロングライド
エンデューロ
ロードレース
ヒルクライムを含む長距離イベント
などでは、途中の補給がパフォーマンスに大きく影響します。
自転車はランニングと比べて、
ボトルを飲む
ジェルを摂る
バーを食べる
バナナなどの補給食を食べる
といったことが比較的しやすい競技です。
だからこそ、
「限界まで我慢してから食べる」のではなく、疲れる前から計画的に補給する
という考え方が大切です。
「脚が売り切れた」と感じていても、実はエネルギー不足が大きく関係していることもあります。
糖質は多く摂ればいいわけではない
ここで問題があります。
走ったり自転車を漕いだりしながら大量の糖質を摂ると、
胃が重い
吐き気がする
お腹が痛くなる
下痢をする
補給そのものが嫌になる
といった胃腸トラブルが起こることがあります。
つまり、
エネルギーは必要だけど、身体が受け付けない
という状態です。
そこで登場するのが、
「食べる練習」
です。
ガットトレーニングとは?
英語の「gut」は、
腸・消化管
という意味です。
そのため、
Gut Training(ガットトレーニング)
とは、簡単に言えば、
運動中の補給に消化管を慣らしていく練習
です。
「腸を鍛える」と表現されることもありますが、
筋トレのように腸そのものを強くするというより、
運動しながら糖質を摂る状況に身体を慣らしていく
と考える方が分かりやすいでしょう。
方法自体はシンプルです。
普段の練習から、
糖質を摂る
↓
運動する
↓
また糖質を摂る
という経験を繰り返します。
本番だけ突然ジェルを大量に摂るのではなく、
補給そのものをトレーニングしておく
という考え方です。
胃腸も「慣れる」可能性がある
長距離ランナーを対象にした研究では、
糖質を摂りながら走る練習
を繰り返すことで、
胃腸の不快感
吐き気
などが減少したとする報告があります。
さらに複数の研究をまとめた報告でも、
胃腸症状の減少
糖質の吸収不良の減少
などが示されています。
つまり、
「運動しながら補給すること」に身体が少しずつ対応できる可能性がある
ということです。
トップ選手ほど「補給する能力」も高い
トップレベルのマラソンでは、レース中にかなり多くの糖質を摂取する選手もいます。
それだけの量を摂りながら高い強度で運動するのは簡単ではありません。
だからこそ、
糖質を摂りながら走ること自体を練習する
という考え方が重要になります。
脚だけ鍛えるわけではありません。
心肺だけでもありません。
「エネルギーを補給し続ける能力」までトレーニングする
ということです。
これは長時間のロードバイクでも同じです。
大会だけでなく「長時間練習」でも補給する
ここはかなり重要です。
大会で補給する予定なら、
練習でも補給してください。
普段の2〜3時間のロング走やロングライドで何も摂らず、
大会当日だけ突然、
「今日は1時間60g摂ろう」
としても、胃腸が受け付けないことがあります。
そこで長時間練習を、
補給戦略を試す時間
として使います。
ロング走なら
どのジェルなら飲みやすいか
何分おきなら問題ないか
水と一緒に摂る方が楽か
後半でも胃が受け付けるか
ロードバイクなら
どのタイミングでボトルを飲むか
ジェル・バー・固形食をどう組み合わせるか
2時間を超えた頃に何が食べやすいか
高強度になった時にも補給できるか
といったことを確認します。
大会を想定したロング走やロングライドは、
身体を鍛えるだけでなく、本番の補給をリハーサルする日
と考えると分かりやすいでしょう。
すべての練習で補給する必要はありません
短いジョギングや軽い練習まで、
毎回ジェルを摂る必要はありません。
例えば、
30〜60分程度の軽いジョギング
なら、通常は運動中の糖質補給を必要としません。
一方、
90分以上のランニング
2〜3時間のサイクリング
大会を想定したロング走
レースペースを含む長時間練習
などでは、補給を練習する意味が大きくなります。
つまり、
「運動するから毎回補給」ではなく、目的に合わせて使い分ける
ことが大切です。
水分・電解質も忘れずに
今回の中心は糖質補給ですが、
長時間の大会では、
水分や電解質
も重要です。
特に、
気温が高い
発汗量が多い
長時間運動する
場合には、水分だけでなく電解質の補給も考える必要があります。
ただし、これも量を一律に決めるのではなく、
気温・発汗量・競技時間・普段の身体の反応
を見ながら調整します。
糖質、水分、電解質をまとめて、
「本番でどう補給するか」
を練習しておくことが大切です。
大会当日に初めて試さない
これはかなり重要です。
初めて使うジェル
初めて飲むドリンク
初めて食べる補給食
初めての補給量
初めてのタイミング
これを全部大会本番で試すのはおすすめできません。
練習中に、
何を
どのくらい
何分おきに
どの強度なら
問題なく摂れるのか確認しておきます。
大会当日は、
練習で確認した補給方法を再現する
くらいの方が安心です。
補給戦略も「競技力」の一部
大会を目指すと、
走行距離
インターバル
ペース走
ロングライド
FTP
筋力トレーニング
シューズ
自転車や機材
などには意識が向きます。
でも、長時間の大会になればなるほど、
エネルギーを入れ続ける能力
も重要になります。
どれだけ脚を鍛えても、
途中で燃料がなくなればパフォーマンスを維持するのは難しくなります。
だからこそ、
走る練習・漕ぐ練習+補給する練習
という考え方を持っておくことが大切です。
まとめ
大会後半の失速を防ぐためには、脚力や心肺機能だけでなく、
糖質補給の戦略
も重要です。
ポイントは、
長時間の運動では体内の糖質だけでは不足しやすい
レースや長時間練習では途中の糖質補給を考える
競技時間に合わせて補給量を調整する
多ければ多いほど良いわけではない
大量に摂るほど胃腸トラブルにも注意する
普段から補給しながら運動して身体を慣らす
これを「ガットトレーニング」と呼ぶ
水分・電解質も競技条件に応じて考える
大会を想定した練習で補給方法まで確認する
本番で初めて試さない
ということです。
大会が決まると、
「もっと走らなきゃ」
「もっと距離を伸ばさなきゃ」
と焦ってしまう方もいると思います。
でも、大会準備は走ることだけではありません。
後半まで動き続けるために、何をどう補給するか。
これも立派なレース戦略です。
大会を目指す方は、
「トレーニング+補給の練習」
という視点も取り入れてみてください。





















